探鳥地にたどり着いたバードウォッチャーが最初に聞く言葉は『さっきまでいた』である。<はしもといわお・アウトドアの掟>

コラム

 
拾ったペグのコレクション
 
 これは、ナイフのページの「少年とナイフ」の続きです。
 
 その夜は夜半から雨になり、朝まで降り続いていました。
 隣の少年の家族は朝ごはんもそこそこに、雨の中を急いで撤収していきました。我々は雨が止まないかな、とのんびりと構えていました。9時ごろになって雨は下火になり、我々はやっとテントから出てきました。
 「あ、これ返すの忘れてた」と、一人がお皿を持ってつぶやいた。
 それは昨日、少年にあげたお箸のお礼にと、むいた梨を乗せて差し入れてくれたお皿だった。朝になったら返そうと思っていたのだが、一言の挨拶だけで急いで帰っていったため、忘れてしまっていたのだ。
 その時、私はもう一つ隣の家族の忘れ物を見つけた。それはテントの張り綱を止めていたペグだった。これも急いでいたためだろう。
 お隣さんとはEメールアドレスを交換していたので、自宅に帰ってから連絡をとってみることにした。(この時、ちゃっかりと自分のホームページ『森の父さん花鳥風穴』を宣伝することは忘れなかった)
 結局、送料などを考えると送ってもらわなくてもいい、ということだったので、ペグは私のコレクションの一つになった。お皿はどうしたかな~?
 
 <@峰>は拾ったペグを使わずにコレクションしている。それを眺めていると、その時のキャンプが鮮明に思い出される。きっと今回のペグも見るたびに、あの少年の真剣にナイフの動きを見る目と、たどたどしい足取りで、乗せた梨をこぼさないようにお皿を運んできた可愛い仕草を思い出すだろう。
 
 そんなコレクションも、もう20本近くにもなった。
 しかし、<@峰>も何本かペグをなくしている。きっと誰かのコレクションになっていることだろう。打ち捨てられるよりその方がいい。